復刊のお言葉

復刊ドットコム佐藤亜紀の本を買った人に著者よりのメッセージがあった。びっくり。芸が細かいじゃねーか。うれしーぞ。

日本の作家は忙しい。毎月どこかの雑誌に短編を掲載している作家、複数の連載を平行して持っている作家、毎年一冊どころか二冊も出版している作家は幾らでもいる。ある若い編集者が言ったことがある――年一冊なんて悠長過ぎますよ。年四冊。それが最低限です。でないと読者に忘れられてしまいます。十二年で六冊などという作家は、おっそろしく寡作、ということになるらしい。とっくに消えていたって不思議はない訳だが(実際、やばい瞬間もあった、ということはご存知だろう)、何やら生き残っているのは読者諸嬢諸氏の御厚情のなせる技である。正直、こんなに早く復刊に漕ぎ着けられるとは思っていなかった。この場を借りてお礼を申し上げておきたい。