2007-06-10

洞窟物語

日常

なにが良いと言って、語らない主人公にめろめろです。ドット絵のせいもあるけれど「きっと無口なシャイボーイに違いない」と勝手に脳内で大決定済み、であります。
いやさ、登場するキャラクターたちのヘビーな可愛さと、淡々と突き進む、独特のメロディーを匂わせる物語こそが大きな魅力の元なんですけれど。語らない彼こそは、惑うことなく流れる川のようなこの物語を語る、飛び切りの語り手なのです。
あとトロ子ラブ。

2007-06-03

太陽

映画

太陽 [DVD]

出版社/メーカー: クロックワークス
発売日: 2007/03/23
メディア: DVD
購入: 2人クリック: 91回
この商品を含むブログ (222件) を見る

ソクーロフが独裁者たちを描く三部作のひとつ。昭和天皇の「独裁者」としてのあり方にフォーカスがあたっている。この映画においては、昭和天皇は作られた独裁者として描かれている。（未見なので知らないんだけど）ヒトラーを描いた「モレク神」や、レーニンを描いた「牡牛座」とは、ずいぶん独裁者としてのあり方が異なるんだろうな。
ただ、幾重にもオブラートがかけられているだけに気がつきにくいが、本作におけるエンペラー・ヒロヒトは、神としての不可侵性とともに、子供の純粋さをとどめた人物＝大人としての判断を下せない（責任も問えない）存在として描かれている。なかなかに微妙な描かれ方だ。
もちろん、本作は神としてしか扱われなかった人間の、孤独な肖像としての見方もできる。単純に、ペーソスあふれるコメディとしてみることもできる。ここではただ、ソクーロフにすばらしい映画をとったと、素直な賛辞の声を送りたい。