座頭市

大変面白かったです。やはり北野武は最高だよう。
物語はちゃんとオマージュしてパロディしてコンテキストとコードに解体して一丁上がりをやっていて感心します。北野武のこの過剰なまでの伝統への偏執はいつ見ても気持いーなー。
構成はカメラも観客も置き去りにしてしまう異様な早さの殺陣が印象的でした。これ以上殺陣を遅くして「判りやすく」するのは監督にはできないでしょう。もともと演技の作為性が嫌いな人ですし。その割に肉体性に拘るあたりが素晴らしいわけですが。ともあれ生粋の東京モンのスタイリッシュさに田舎モノはメロメロなわけです。
画面もいつも通り綺麗で均整のとれた構図でした。朱い破れ傘で出かける所と、豪雨の中田んぼでタップを踊る三人がこける所は素晴らしい。市が切り殺したやつらの血が雨に混じって流れていく所は感動ものです。
あと、実は見えると言うのは、市と言うキャラクターをギャグにしてしまいたかったものかと。