敵 (新潮文庫)

敵 (新潮文庫)

見事だなぁと思う。老練というのとは少し違う。圧迫感とも違う。老いをスゴブル観察的に描いている。客体化した著者の姿かと言うとそんな不細工なところもない。とにかく文がうまいです。
私はこのひとの、語る事を止められない部分が凄く好きだ。絶筆宣言の後でやっぱり書いちゃうところが凄く良い。堪能致しました。