2003-09-30 猫の地球儀 本 秋山瑞人作。 このひとは本当にすばらしい。物語があり余韻がある。なにより悲しい。電車のなかでは読めません。このストーリーテリングのうまさには本当に舌を巻く。ちゃんと笑わせて、盛りあげて、突き放す。絶妙だ。 何よりも素晴らしいのは物語が解体されてはかなく消えて行く終末への過程だ。楽を探す震電の、幽を待ち続ける焔の、そして全てを忘れて行くクリスマスのそれぞれの結末はそれまでに構築してきた全ての物語を破壊する危うささえあって感動する。 特に、最後の一文は何度もなんども反芻しました。