ヴァレンシュタイン

ヴァレンシュタイン (岩波文庫)

ヴァレンシュタイン (岩波文庫)

たまには古典でもと思い立ってシラーの戯曲を買った。久しぶりに岩波文庫の棚の前などうろついていたら、なんだか今は亡き恩師のことを思い出してしまった。
山崎先生はとにかく、学問に対して真摯な態度を求められる学究肌の研究者だった。面には出さなかったけど、ふわふわとまじめに勉強しない学生たちを苦々しく思っておられたのではないかと想像する。
その先生があるとき「岩波文庫は大衆に迎合的で不純なので好きでありません」と仰っておられたのだ。
思わず笑ってしまう。岩波でさえ不純と切って捨てる先生が、蘊蓄ネタ本と変わらない一般教養書など買い漁っている私を見たら、何と仰ることやら。