海の空 空の舟

海の空 空の舟 (講談社文庫)

海の空 空の舟 (講談社文庫)

私小説の類はよう読まんのだが、これには不思議に惹かれるところがあった。だってなぁ、性に煩悶する南の国の少年の話とあってはなぁ。読まない訳にはいかんだろ?
こういうのもなんだが、久方ぶりに「丁寧で美しい」文章を読んだ。「渇水」以来ではなかろうか。私小説の本来持つべき持ち味を堪能しましたね。丹念になぞられる心理描写と日常の中のちいさな物語。
良い本でした。
宮本輝スキーの読書人の友人にお薦めしよう。